リゴレット
昨日、横浜の「驛の食卓」にてヴェルディ作曲「リゴレット」が昼夜共に無事に終演致しました。
1幕のアリア以降の合唱がらみだけカットでのほぼ全曲での演奏でした。
実はリゴレットはかなり前に全曲で演奏した事があったのですが、その時には十分な演奏が出来ず悔しい思い出のある演目。今でもあの時の大失敗を鮮明に覚えてます。体が凍りついて、それまで積み上げてきた物が全て崩れ落ちていく、あの感じ。
時は流れて、イタリア留学中。大テノールのニコラ・マルティヌッチ先生とのレッスンでは3回に1回はリゴレット全曲歌う、という日があり、徹底的にリゴレットに向き合っていました。「お前はリゴレットのオーディションがどこかのテアトロであったら必ず受るんだぞ」と言われながら・・・。まあお金が続かず帰ってきた訳ですが・・・。どこかで必ずいつかリゴレットを歌えたらとずっと温めていたところ、今回のお話でした。
今回はトナカイや身内関係でとてもお世話になっているテノールの岡坂さんにとてもお世話になりました。初めましてなのだけれど、奥様にはとてもお世話になっていました鶴川さん、トナカイで何回か一緒に歌うはずだったけど、体調不良などで一緒に歌えず、今回がやっぱり初めましての森さん、温かく優しいピアニストの小森さん、大学時代の憧れの先輩の吉村さんに、大学院から最初の研究員時代にとてもお世話になった小田桐さん、他にも大学関係でとても縁の深い方々とご一緒出来ました。温かく接していただきとても感謝でした。
昼夜共にチームワークがとてもよいメンバーでむかえた本番。
本番では、前回の宿題にしっかりと正面から向き合いながら、緊張との戦いでした。最近は本番は本当に緊張することは少ないのですが、今回は最初から最後まで緊張が取れませんでした。
挑戦したところもあったけど、以前の幻影は振り払えた気がします。そして新たに宿題も。
リゴレットはヴィクトル・ユゴーの「王はお楽しみ Le Roi s'Amuse」を原作にフランチェスコ・マリア・ピアーヴェが台本にしたもの。しかしながらなぜ?ヴェルディは題名を「リゴレット」にしたのか?ヴェルディが描きたかった本当のドラマは?人物は?音楽は?
今回改めて「リゴレット」という作品の持つ魅力に魅了されました。名作中の名作とはどういう理由を持って言われるのか。人の美しさとは。
ご来場下さいましたお客様、驛の食卓のスタッフの皆さま、スタッフ・助演・アンダーとして助けてくださった方々、そして一緒に音楽を、舞台を、ドラマをつくりあげた共演者の皆さま、全ての人に感謝致します。
本当にありがとうございました。
昼公演のメンバー
今回の1番の難曲2幕冒頭のアリア
夜公演のメンバーと共に、このメンバーで出来てとても幸せでした。
ありがとうございました
0コメント