ラ・ボエーム終演
ボエームが終演致しました。
ロドルフォを通して歌うのは初めてでした。La Traviata もそうなんですが、大切な人が最後死ぬオペラは演じるのが本当につらいです。
それは今回の公演では特にそうで、稽古場に入る前から自身でピアノを弾きながら譜読みをしている段階で、涙が止まりませんでした。
歳を取ったら涙脆くなるもんだーと感じました。
共演は皆同年代で、等身大な関係で皆さん仲良くしてくださり、スッと役に入っていけた現場でした。
一昨年に祖父が、昨年に母が他界してから人の人生や生きるという事はどういうものなのか、ずーっと考えていますが、さっぱり分かりません。
しかし、オペラの中の人物の方は精一杯人生を生き切っている、故にあのメロディが生まれて、オペラが成立するのだと感じます。
今回の本番では、4幕のミミと2人っきりになるシーンからはもう本当に涙が止まらず、ちゃんと声が出るように感情をコントロールするのが精一杯でした。(涙の飛沫を浴びせてしまった遠藤さん、ごめんなさい)こういうのはいわゆる「役に負ける」と言うんですが、なかなかにまだまだ修行が足らないなぁと素直に反省です。
他にも色々と感慨深い公演になりました。
先日、レッスンの時に生徒さん(とは言え人生の先輩の方です)から、人生の節目節目には必ず誰かしら助けてくれる人やキーマンとなる人がいるもんですよ、とお話し頂きました。
ずっと会いたかった方に、ひさしぶりにお会いして、最初に舞台上からお姿を見つけた時には、また感情が込み上げてきて、なかなか歌い出せなかったのはここだけの話です。
歌う機会が減ったおかげで、見えてくるものもあるものですね。
ありがとうございました。
松岡幸汰
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